「夢のマイホーム」は夢のまま終わる ②資産となるのは土地のみ

注意!】既に新築戸建てを購入された方は読まないでください。

誰もが憧れるマイホームですが、なぜそんなに憧れるのでしょうか。

■賃貸より安く、広い家に住めるから?

■誰も使ったことのない新しくて綺麗な家に住みたいから?

■将来、不動産資産になるから?

■住宅展示場で綺麗な住宅を見て、住みたくなったから?

将来持ち家が欲しいと考えているあなたに伝えたいことがあります。

本記事は、①の続編です。

今回は、「②資産となるのは、基本的に土地のみ」についてお話します。

前回、新築戸建てを購入する方の多くが、現在賃貸暮らしの家の広さ、家賃と比較して、選択するという話をしました。

お子様がいると広い家が必要になります。昨今のリモートワークの流れで、より広い家が必要になった方も多いでしょう。

広い家が必要だとして、新築戸建てを購入するメリットはあるのでしょうか。

新築戸建ての毎月のローン返済額のみに着目するのではなく、不動産資産として価値判定をする知識を今回は教えます。


不動産 = 土地価格 + 建物価格(設備等含む)

そんなことわかってるよー!そんなの当たり前じゃーん!って思うかもしれません。


しかし、不動産会社の営業マンでも数十年後の不動産の価格なんて分かりません。

それは、経済に大きく左右されますし、あくまで需要と供給のバランスだからです。

築年数が経過した戸建ての販売を考えるとき

⑴不動産会社に購入してもらう

⑵不動産会社を通じて一般の方に購入してもらう

の2パターンが一般的だと思います。


⑴不動産会社に購入してもらう

不動産会社で仕入れをしていた経験から言うと、

築年数が経過してしまった物件の建物評価は難しいです。

建物は、施工主の意向で作られていますし、現在居住中ですと、劣化の確認も十分に行えません。また、古い設備は基本的に入れ替えないといけないので、リノベーションをして再度販売することを考えます。

不動産会社が購入する場合の評価方法としては、


不動産会社購入価格 

= 再販価格 ー 修繕費用 ー その他諸費用 ー 再販時粗利(不動産会社)

となります。


3LDK(100㎡)の建物ですと、修繕費用概算で200-300万円程度見込みます。

大体、再販価格の10 - 15%程度としておきます。

※水回り設備(キッチン、風呂等)の交換等が必要であったり、プロパンガスを都市ガスに切り替えたりするとさらに費用がかかります。 今回は考えません。

その他諸費用は再販価格の10%程度、再販時の粗利は再販価格の15%程度を想定するので、


不動産会社購入価格 = 再販価格 × 60 - 65% 程度


概算ですが、経験上、そんなもんです。

築年数が経過してしまった戸建ての販売を考える場合、一般の方でもできるのが、

SUUMOやat home を確認する方法です。

同じエリアで、同等程度の築年数経過、土地面積、建物面積で、該当する物件を見つけます。リノベーション済み物件がありましたら、その物件の価格の60%程度が、不動産会社が購入する価格です。


築年数が経過する程、不動産価格に対する土地価格の割合が高くなっていきます。

= 建物価格の割合が低くなっていく (評価が出ない)


そして、土地の値段は、基本的に一定。(購入時の評価と同等で売れる ※更地)


⑵不動産会社を通じて一般の方に購入してもらう

これはなかなか難しいと思います。運よくあなたが使用した物件を購入する方が見つかればラッキーですね!内装が綺麗であったり、場所が良ければ可能性は出てきますが、人が住んだ家に住むという発想にはなかなかなりづらいですね。

一般の購入者からすると、このような下記のような判断になるかと思います。

【一般購入者の購入判断】

・そもそも住宅ローンが組めるかどうか

・住むのに適した場所、広さ、間取りか

・設備がそのまま使えるか

・自分で手直しできる範囲かどうか(or 業者に任せないといけないか)

色々な壁を乗り越えてやっと検討が進みます。


とはいえ、売主が販売を考えているということは、

毎月の返済が厳しくなったか、売却して新しい家に住みたいか、

色々な理由があると思いますが、とにかく急ぎでしょうね。


SUUMOやat home を見ていると

売れていない物件があるということは、元本割れしてしまうのでしょうね。

元本割れというのは、銀行からの借入残高が売却価格より多くなってしまい、

手出しが必要になる状態です。


売却可能価格(相場価格)< 借入残高


となってしまうと、売れないでしょうね。金があれば大丈夫だけど。


【ケーススタディ】

横浜市の新築戸建てを購入した場合を考えてみましょう。

売却時には、不動産会社に購入してもらいます。(一般人に売れるラッキーはなしで)

建物90㎡、土地80㎡、3LDKとします。


①新築の不動産価格(土地価格、建物価格)

新築時購入価格は4180万円、(建物2180万円、土地2000万円)

フラット35:融資額4180万円、期間35年、金利1.3%(元利均等返済)※ボーナス払い無

毎月の支払額:123,929円

総支払額:52,050,180 円 (うち利息分:10,250,180 円)

この時点で、4180万円の買い物をしたのではなく、5200万円程度の買い物をしたと思ってほしいです。


②築10年の不動産価格(土地価格、建物価格) と 元本

10年後の元本は、30,646,244円になってます。

ここで売却できるのでしょうか。見てみましょう。

SUUMO , at home を見てみるとリノベーションされた物件が3300-3400万円程度で販売されていました。

そうすると、不動産会社購入価格は、3400万円 × 60% = 2000万円程度

となるので、 売却価格 2000万 ー 元本 3000万 = ー1000万円(支払い)

1000万円損してしまうので、住み続けるしかないですね…


③築20年の不動産価格(土地価格、建物価格) と 元本

20年後の元本は、20,257,173円になってます。

リノベーションされた物件が、2800万円程度で販売していました。

不動産会社購入価格は、2800万円 × 60% = 1680万円

元本との差額は、約320万円(支払い)となります。

320万円あれば、売っても良いかもしれませんね。


④築30年の不動産価格(土地価格、建物価格) と 元本

30年後の元本は、5,793,568円になってます。

リノベーションされた物件が2500万円程度で販売されていました。

不動産会社購入価格は、2500万円 × 60% = 1500万円

元本との差額は、約900万円(プラス)

しかし、30年経過している物件の設備は交換する必要がありますし、

外壁の修繕も必須となるので、税金も考慮すると400万円程度プラスになれば良い方でしょう!

30年間で400万円プラスになるので、良いかもしませんね。


【ケーススタディで分かったこと】
住み続けるしかない


不動産会社の営業マンが新築販売時に絶対に言わないこと
「覚悟しろ、30年程度は住み続ける家になるんだ」


皆さんお気づきでしょうか。中古の1棟戸建ての再販価格は、リノベーションの度合いによって決まるので、築年数はあまり影響していません。

それはなぜかというと、金融機関の評価は、

不動産の銀行評価 = 土地価格 + 建物価格(リノベーションも含む)

土地価格は基本的には一定なので、建物評価次第ということです。


【ケーススタディ】では、新築購入時の土地価格を2000万円としましたが、この金額は、あくまでも全体価格の内訳に過ぎません。

【ケーススタディ】では横浜市の建物としたので、土地価格を調べてみると、80㎡で1500万円程度となります。

築20年、築30年の時の不動産会社の購入価格を見ると、土地価格に近いことが分かります。


1戸建てを売却するときは、築年数が浅くないと、土地価格にしかならん!
築年数が浅いと、元本返済が進んでおらず、売ると損してしまう!


売却まで見据えて、新築戸建てを購入していますでしょうか。

あなたの借入で購入する物件です。

しっかり精査しましょう。


余談になりますが、

23区内の戸建てなど、良い立地で駅徒歩も近いと、買い手が付きやすく、価格が伸びやすいです。マーケットを意識するのも重要ですね。

SUUMO、at home で築年数が経過したときの価格はざっくり調べることができるので、確認しましょう。


今回は以上です。次回は、第3弾「POINT ③ 売却できないと住み替えが困難」について、今回の記事を踏まえて投稿します!




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